物書きとしてのデビュー作、
1995年、NHK教育テレビ「おはなしのくに」で放映された、
番組原作が電子書籍化されました。
他の方との、合作集になります。
以下、かたやまが書いた童話の
冒頭部分をあげます。
ネコのバイオリン弾き
石だたみの広場を、満月がさえざえと照らしていました。
ネコのバイオリン演奏会最後の演奏は、
ぬれたように黒い毛並みの天才バイオリニスト、シニファンがおこないます。
広場は水を打ったように静まりかえり、誰もがじっと彼の演奏を待っています。
シニファンのつめが、三日月型をしたバイオリンの絃にゆっくりとふれました。
水のおもてを波紋が広がるように、バイオリンの調べが広場をながれます。
集まったすべてのネコの心とヒゲが、ピンと張りつめてやがてふるえました。
まん丸なお月様さえ、東から西へと動く足を止めています。
動いているのはシニファンただひとり。
あとは誰もが、ただ彼の演奏をじっと聞き入っているのでした。
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小さい頃、眠りに落ちるまえに、
繰り返し頭の中で描き、たどっていたお話を、
成人してから書き綴ったものです。
よろしくお願いいたします。
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